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​活動報告

 

 4月21日(日)

 《今回はまず、3月に栄で行われた「ひきこもり支援講演会」に出席した感想を話し

  合いました》

・テーマは「見守り」でしたが、「策がないから見守ろう」ということが多いのではない

 か。

・「見守りの時期」なのか「積極的に声掛けの時期」なのか、見極めが大切。

・「自立してほしい」と言いながら、いざ子どもが飛び立とうとすると、足を引っ張る

 親が多い。

・「会社で仕事をして自立」ではなく、まず、家の中でできることをやってもらう”家の

 中での自立”を目指すのが良い。

・小グループトークでは、家族会で情報を得たり、学んでいることがとても有益なのだと

 感じた。

《家族会》

・一人暮らしをしている息子は、司法書士の試験の勉強があるからと、母親に何でもやっ

 てもらっているし、受験料も出してもらっている。

                   ↓

 親は、息子に目標があると、安心して援助してしまうが、資格試験をいつまで受けるの

 か期限を決め、受験料も自分で出させよう。

・同居している息子は「グループホームに入りたい」「B型事業所をやめて入院する」

 「やっぱりいや」と、コロコロ気持ちが変わり、親は落ち着かない。結局、任意入院

 したが、帰りたいと言い出し、医療保護での閉鎖病棟入院となった。それにより自由が

 なくなったことで、息子は主治医と喧嘩した。入院前から通院していた皮膚科へ薬を

 もらいに行くために母親が車で病院へ迎えに行き受診したが、病院に戻りたくない息子

 は受診後、母親の車に乗ることなく歩いて帰宅してしまった。入院前よりも息子の様子

 が悪くなっているように感じた母親は心配になり、病院の治療法に対して不信感を抱き、

 父親に相談し父親も同感したことから、親が退院させてしまった。

                 ↓

 息子が攻撃的な言葉を言ったり顔つきが鋭くなると、薬が強すぎるのでは、入院はよく

 ないのではないか等、親は心配だらけになるが、不安に思うことがあるなら、その気持

 ちの全てを主治医に話そう。そして説明してもらおう。セカンドオピニオンを考えるの

 は、その後でもよい。

・同居している息子は、最近メンタルクリニックに行かないので、母親が行っている。

 会話のない息子にノートを一冊買って、「お母さんに見せなくていいから、色々書くと

 いいよ」と言い、息子に渡した。そのノートが廊下に開いた状態で伏せて置いてあった

 ので、「見てほしいのかな」と思い、母親が見たら「死にたい」と書いてあった。心配

 になり「お母さんは、あなたにことを大切に思っているよ」と声掛けをした。

                  ↓

 母親はノートを勝手に見てしまったが、それは良くない。「ノートを見てほしいときは

 ○○に置いておいてね」とあらかじめ伝えよう。

・「一日15分話を聞く」ということを目標にしてきた。昨日は1時間息子の話を聞いた。

 昔のことや、春は式典が多いから落ち込むこと、アニメが好きなこと、など、話してく

 れるようになった。

                   ↓

 母親の聞く姿勢が息子に伝わってきている。

・A型事業所に通う息子は3月に、「このままだと、周りの人を殴りそう」と母に電話をし

 てきて、その日に所長に「やめる」と言い、A型事業所をやめて帰宅した。周りとうまく

 いかないことが多くあったようだ。息子はA型事業所在籍中から就活をしており、不採用

 が続いていたが、やめたタイミングで採用された所があり、4月から障害者枠での仕事

 を始めた。

                  ↓

 親はお金も手も出さず、家の中でも自分の事は全て自分でやらせよう。

★「自立」「責任」について、最近よく考えていたら、こんな文章に出合いました。

  「自立」は「独立」ではなく「支え合い」として捉える必要があります。いざ、病気

 や事故や災害などによって、独力では生きていけなくなった時に、他人との支え合いの

 ネットワークをいつでも使える用意ができているということ。それが「自立」の本当の

 意味なのです。「支え合い」のネットワークであるからには、自分もまた、支える側に

 回る用意がないといけません。つまり「誰かの代わりに」という意識です。これが

 おそらくは「責任を負う」ということの本来の意味でしょう。「責任」というのは

 最後まで独りで負わねばならないものではありませんし、何か失敗したときにばかり

 問われるものでもありません。「責任」とはむしろ、訴えや呼びかけに応じ合うという

 協同の感覚であるはずのものなのです。「君ができなかったら、誰かが代わりにやって

 くれるよ」と言ってもらえるという安心感が底にあるような、社会の基本となるべき

 感覚です。

 哲学者の鷲田清一さんの言葉です。抜粋です。

 親としての責任があるから、と、がんじがらめになってしまわないよう、「責任」と

​ 「自立」について、思いを巡らせたいです。

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 2月11日(日)家族会

・同居している息子の調子について、悪くなるサイクルがあるようなので、記録すること

 にした。

・息子は薬を多く飲むことがあるようで、起きてきてぼーっとしていることがる。

               ↓

 もっと合う薬があるかもしれないので、不安なことがある場合には、医師に相談しよう。

・主治医が高齢なので、いつまで診てもらえるか、息子は心配している。

               ↓

 主治医は必ず引継ぎをするので、大丈夫だ。

・引きこもりの息子と同居しているが、両親に何かあった場合、息子のことや、手続き等

 親戚に頼むしかないのだろうか。

               ↓

 親戚はよくない。まずは市役所福祉課に相談し、自治体のサポートはないか、調べよう。

・同居している息子は、A型事業所で疎外されているように感じているため、A型事業所の

 職員に相談せずに、就職活動をしている。A型事業所はやめたいと言っている。

                ↓

 「疎外感」については、A型事業所の所長さんに相談しよう。障害者枠の就職に関しては

 A型事業所を通して行おう。就活を始めるタイミングもA型事業所からの指示を仰ごう。

・母親の実家で一人暮らしをしている次男は、少しだけ外に出られるが、まだまだ母親を

 頼っている。長男は、両親とともに住み、ひきこもり状態。この先の不安を抱えている

 ようだが、具体的に何かをしようということを親も長男自身も考えていない。

                 ↓

 暴力暴言がない場合は、「まあ、あと少しなら」と思ってしまい、何も手立てを考えな

 いまま、月日がたつ。まさに「低く安定した状態」だ。安定はしているが、あくまでも

 「非常に、低い状態」なので、なるべく早く打破しよう。まず、色々なことに対しての

 「期限」を決めよう。例えば、3か月以内にクリニックの予約を入れる、など。具体的

​ に細かく決めて、実行に移そう。

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 1月14日(日)家族会

・一人暮らしをしている息子は、3か月前から薬を飲むことを拒否している。理由は、

 「飲むと頭が痛くなるから」ということと「右足が歩きにくい感じになるから」である。

 母親は、息子の通っているメンタルクリニックに、自分も通って、医者に息子の受診時

 の様子を聞いたり、母親が気になることを相談しようと思っている。

・母親は最近2度も手術をしたので、運転ができない。一人暮らしをしている息子は、

 母親が来てくれなくなったので、スーパーマーケットへ自転車ででかけるようになった。

 しかし、「ゴミ出しはできない」と言うので、父の運転で、母と二人で息子のもとへ行

 き、ゴミを出してあげた。

                    ↓

 母親は自分の体のことを考えて、「ゴミ出しもできない」と言おう。ごみ屋敷にさせよ

 う。どうしても、ゴミがたまっていくのが我慢できないようなら、自分で出すように

 なるかもしれない。また、それを理由にアパートへの引っ越しの提案もできるのでは。

・父母は、息子が10年ほどのひきこもりから、少し外出できるようになったのが嬉しか

 ったが、医者から「今、入院するか、ひどくなってから入院するか、考えてください。 

 薬の投与も考えてください」と言われ、ショックだった。

 息子は「自分は正常だから薬は飲まない」と言っている。父が「部屋中にガムテープ

 貼るのは変だよ」と言ったら、息子は「排気ガスが入ってくるのが嫌」と答えた。

                   ↓

 ここはお父さんとお母さんの家です。排気ガスが入ってくるのが嫌なら、この家から出

 て、排気ガスのない暮らしやすい場所のアパートへ引っ越そう、と言おう。タイミング

 をつかんで、一人暮らしや、入院について考えさせるようにしむけよう。

・穏やかなお正月だった。皆でおせち料理を食べることができた。しかし、能登の地震を

 受け、息子は「災害の時はどうしよう。薬のこともどうしよう。」と心配するようにな

 った。それなのに、病院の予約は自分でキャンセルしている。最近は、「孤立について

 の講演会」に息子が申し込んだが、当日、行けなかったので、父母が行った。

 息子は「20歳の時、自転車とぶつかった話」とか、昔の話を、時折、話すようになっ

 た。母親は、この「話をしてくれる状況」をずっと続けていきたいと思っている。

・同居している息子は、医者に「障害者枠での就職を考えている」と言い、A型事業所の

 職員に相談もせず、すぐに履歴書を書き、応募したが、その応募先の会社から履歴書が

 返却されてきて、その件は終わった。次に息子は、ハローワークに行った。

                 ↓

 A型事業所に通っているので、何か行動を起こすときには、必ずA型事業所の職員に相談

 しよう。採用する側は「A型事業所での仕事ぶり、実績、本人の特性」が知りたいので、

 A型事業所の推薦状が必要な場合もあり、面接時に職業支援員の同席を求められる場合も

 ある。

・同居している息子は、最近、家の中で大きな音は出さないが、家の外で何かやっている

 のでは、と心配だ。息子は、ウォーキング中に、棒や石を手に持っていることもある。

                  ↓

 母親は息子に「まわりの人はびっくりするよ。心配だよ。何も持たないで出かけよう。」

 と言おう。

・同居している息子は、お弁当を時々コンビニで買ってきているようだ。お金は、自分の

 内職代から出していると思うが不確か。

                  ↓

 おこづかい帳をつけさせよう。将来的に、息子が生活必需品について考えられるように

​ なる。母親もお金の流れが把握できる。

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 12月17日(日)家族会

・同居している息子は、光と電気が苦手で、テレビの画面も暗い設定に変えてしまう。

 夕方、母が帰宅すると、真っ暗な中で、ひとりで佇んでいることがある。

 日中は部屋の中を歩き回っている。両親が食事中の時は、そばで、ずっとただ、立って

 いるだけのこともある。夜中、眠れないときは、突然、母親の部屋に入ってきて、

 「逆流性食道炎って知ってる?」と質問して、その後、自分の部屋に戻ったりする。

 通っているB型事業所のリフォームがあり、少し雰囲気が変わり、パニックになった。

 1日2回接骨院に行くこともある。カイロプラティックもやるようになった。

 「姿勢が悪い」と言って、自己流の変な踊りもしている。

 メンタルクリニックの主治医に薬をすすめられたが、本人は飲みたがらない。その理由

 はわからない。

               ↓

 本人に「困ってるよね。困ってることがあるなら、主治医の言うことを聞いてみよう」

 と言おう。母親は、精神科の薬が不安のようだが、そのことも母親から主治医に話そう。

 主治医は色々試してくれて、合う薬を探してくれる。

・同居している息子は、潰瘍性大腸炎の薬を飲んでいる。今のところ、身体に合っている

 ようだ。うつ、ひきこもりの症状があり、1年に1回の懇談に行けないので、息子は

 母親に「最新の医学について聞いてきて」と言っている。

 手術もできるが、手術をして治った場合、障害年金が打ち切られるか心配しているが、

 うつ病でも受給できる。

・息子が、ヘルプマークを自分でもらってきて、付けるようになった。自分の障害につい

 て、まわりに知ってもらうことに抵抗感がなくなってきたのかも。

・同居している息子は、月1回メンタルクリニックに通院している。眠剤を貰っているが、

 飲んでいない。

 昨年末、A型事業所に変わった。朝はそれまでより10分早く起きて行くようになった。

   《その後の息子について》

 *A型事業所の人たちとのバス旅行に行けなかったが、そのことを受診時に主治医に自分

  から話せた。

 *相談支援事業所の担当者が、自宅に来て、母親と面談したが、その時「笑顔が見られ

  るようになりましたよ」と言ってもらえた。

 *ある予約日ではない日に突然「クリニックに行きたい」と言った。その理由は、「A型

  事業所に厳しい人がいる」ということと「A型事業所では、コミュニケーションが必要

  な仕事がある」ということを話したいらしかった。そして、「障害者枠で就職したい」

  と言い出し、ネットで見つけた「厨房の仕事に応募したい」と言っている。

                ↓

  まずは、A型事業所の職員に相談しよう。A型事業所に移って間もないので、A型事業所

  の何が嫌なのか、何に困っているのかを具体的にきちんと職員に説明しよう。

・同居している息子の精神障害者手帳を更新した。それを機に市役所へ相談に行きグルー

 プホームに入居さたい旨を伝えた。その時、「物を壊したりする人は難しい」と言われ、

 「知能検査をしたか」ということを聞かれた。「知能検査はしていない」と答えると、

 「今年度から、判断基準が改正されて、昔の書類がなくても、精神科の医者の判断によ

 り、療育手帳が交付されるかもしれない」とのことだった。療育手帳が交付されたら、

 知的障害者のグループホームに入居できる可能性がある。

                  ↓

​ 知的障害に関しては、地域により様々な基準が違うので、行動を起こす前に自治体への

 問い合わせをすることが望ましい。

 ​

 

 

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 11月19日 家族会

・母親は、同居している息子と、ドライブ、ウオーキング、買い物に一緒に行っている。

 父親は、息子に障害者手帳が交付されたことで、息子を受容できるようになったようだ。

 最近、息子は20センチくらいの石を拾ってきた。また、以前から息子の部屋からは、

 物を投げつけたり、壊したりするような音が聞こえてくることもある。

                  ↓

 病院で、頓服薬を出してもらっているのだから、息子が大きな音を出している時には、

 必ず服用させよう。頓服薬は、症状が出ているときに飲むものなので、「大きな音を

 出したら飲む」と決めると、息子も「あ、今、よくないことをした」と理解しやすい。

 服用のタイミングを親の都合にすると息子の受け入れがブレてしまうこともあるので、

 息子に理解しやすいタイミングを習慣づけることが大切。

 親は、息子のグループホーム入居が希望だが、まず、市役所の障害福祉課へ出向き、

 「相談支援事業所」を紹介してもらおう。

・ひきこもっている人は、じっとして部屋にいるだけなので、「何も考えていない人」と

 見えがちだが、実は周りをよく観察し、考えすぎるくらい考えていることも多い。

 だから、どんなことも、本人の意思を確認しよう。本人を無視して、勝手にすすめたり

 してはいけない。本人の困っていることは何か、聞き、選択肢を与え、決めるのは

 本人でなければならない。

・同居している息子が、B型事業所への通所日数を変更したいと言っている。

                  ↓

 B型事業所の職員に相談するように言おう。親が適当に返答してはいけない。「わから

 ない」「自分で質問しよう」と伝えよう。

 「わからないことは、その道のプロに、自分で聞く」ということを、習慣づけ、親を

 頼らず、自立へと導こう。

・同居している息子が、発達障害の検査を受けたが、医者は結果について「グレーゾーン」

 としか説明してくれなかった。しかしその後、両親が、息子について「ものすごく困っ

 ていること」を強く真剣に覚悟をもって伝えたら、医者の対応が変わり、「統合失調症」

 と診断名を出してくれた。そして、次回の診察は「30分間」と指定してきた。

                 ↓

 発達障害からの二次障害としての「統合失調症」という見立てをしたのかもしれない。

 「しっかりと息子の障害と向き合う覚悟のある親」として、30分間で生育歴の聞き

 とりの時間を設けたのではないか。親は、生育歴、具体的なエピソードをたくさん書き

​ 出しておこう。

 

 

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 10月22日 家族会

​・母親の実家で一人暮らしをしている息子は、買い物を母親に頼んでいたが、最近は、

 母親と一緒に出掛けられるようになった。

                   ↓

 母親は足を悪くしているので、買い物も母親と一緒ではなく、ひとりで行ってもらおう。

 障害年金継続の手続きも、母親がやっているので、次回からは、息子にまかせよう。

 どんなことでも、息子にやらせよう。

・母親の自営の会社に、息子は毎日出社するようになった。だんだん言葉遣いがよくなり、

 ジャストの時間に出勤だったのが、2分前に出社できるようになった。

 そのほかにも、割引日にエコバッグを持って買い物に行ったり、マイナンバーカードも

 つくってきたりと、活動的になった。

 どんどん変化していっている息子だが、「経済」についての考えは、引きこもり前の

 「学生の頃」で止まっている。卒業後ずっと外界と接していなかったからだ。これから

 は、会社の経営者としての視点ももってもらいたいと、母親は考えている。

                ↓

 7月から出社し始めたところなので、母親は焦らず、少しづつ教えていこう。

・両親と同居している息子は、B型事業所に通っているが、「座り仕事は嫌」「立ち仕事が

 いい」と言い出し、自分でネットで探したB型事業所に見学に行った。その後、現在通っ

 ているB型事業所で「立ち仕事ができないか」職員と話し合いをして、息子は納得し、

 そのまま同じB型事業所で働いている。

 時には、内職をたくさんやりたいと言ったり、やっぱりやらない、と言ったり、言うこ

 とがころころ変わるので、親は心配している。

 また、「血の巡りが良くなる」と言って一日5回入浴している。これについても、心配

 している。            ↓

  不安なことは、全て医者に言おう。そして、医者には「障害者手帳がなんとしても

 ほしい」と言おう。親も子も「障害者手帳のメリット」をきちんと認識しよう。

・墓じまいのため、5日間、父母は家を空けた。同居している息子は、ひとりで家に残り、

 「事故が起こり、両親が帰ってこなかったら、どうしよう」と考えていたという。その

 5日の間、息子は初めて洗濯をし、ゴミ捨てもし、食洗機も使っていた。お風呂にも

 入っていた。自分でできることは何でもやろうとしている。

 息子は「ふたりとも(父母)いなくなりそうな状態になったら、市役所と僕をつなげて

 おいてほしい」と言っている。

                   ↓

 親は、市役所の福祉課に出向き、家の状況を伝えよう。息子のこと、親戚の連絡先等、

 大切なことはノートにまとめ、同じノートを何冊も作り、それを託す人について、考え

 よう。

・同居している息子の話を、ゆっくりと聞くことを、ずっと続けている。この間、息子の

 好きなアニメの話を聞いていたら、息子の顔がぱあーっと輝いた。母親の「話を聞く

 態勢」が整ってきたからか、息子はだんだんと感情をだすようになった。

                    ↓

 この文章を書いている私は、息子の話を聞く態勢には、まだまだ、なっていない。親の

 側に「覚悟と態勢」ができれば、つまり、親が変われば子どもも変わっていくのだろう。

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 9月16日(土) 家族会

 

・同居している息子は、土日は、ひとりで食べ放題のレストランに行っている。そのお金

 は、母親があげている。来月、A型事業所に見学に行く予定で、「A型事業所に通うよう

 になったら、お金はあげない」という約束をしている。障害年金の申請も通ったので、

 食費、ガソリン代、車検代なども半分出してもらおう。

                 ↓

 お金は貯めるものでもあるけれど、上手に使うものでもある。生きていくには、お金が

 必要なのだと認識させよう。

・同居している息子を、グループホームに入れたいということを、医者に伝えたら、

 「ソーシャルワーカーに聞いてほしいと」言われた。息子はほとんど話さないので、

 「意思疎通のできない子はグループホームに入れない。」とも言われた。

                 ↓

 「だからこそ、入りたい」と医者に強く言おう。「いつか入りたい」だと入れない。

 「すぐに入りたい。入れるところを探してください」とはっきり言おう。

・同居している息子は、母親の自営の会社に毎日出社している。4時間しっかり働いて

 いる。しかし、遅刻したり、挨拶をしないということがあるので、給料袋の表面に

 「遅刻・挨拶なしは減給」と書いたら、次の日から挨拶するようになった。

                 ↓

 目で見えるように、はっきり分かりやすく書いてあるのは、良い。

・同居している息子は、「内職やめる」と言ったり、「内職の会社」に「今からそこで働

 く」と電話をかけ、出かけて、でもすぐに帰ってきたりしている。落ち着かない様子だ。

                 ↓

 両親が「息子の発達障害の検査結果」をきいても、医者は、特に何も言ってはくれなか

 ったということだが、親は「ものすごく困っている」と言おう。家での様子も伝えよう。

 医者が、親の様子を見て「この親は、たぶん、子どもを障害者というものにはしたく

 ないと思っているのだろうな」と考えると、医者は「発達障害」という言葉は出さない。

・家で内職をしている息子が、B型事業所の体験に2回行き、登録した。火水曜日行く予定

 である。送迎バスもある。

                  ↓

 家で内職もやっているので、B型事業所とかけもちは大変である。内職のほうが多少

 賃金は多いかもしれないが、将来的に考えたら、B型事業所で働き、その後、障害者枠で

 就職という選択肢も出てくるので、そのことも息子に伝えよう。

★発達障害者の人は、他人に言っていいことと、言わない方がいいことの判断ができない

 ことが多い。時には、それが人を傷つけることもある。

                  ↓

 そういう場面に出合ったら、「父や母には何でも話していいが、ほかの人に言うのは

 やめよう」と伝えよう。

 この文章を書いている私の子どもも、見たままをそのまま口にすることがある。「正直」

 「純粋」「天真爛漫」と幼いころはまわりから言われるが、30代の大人が、自分の

 思ったままを言葉に出すと、かなり、強烈で、良い印象はもたれない。ものすごく嫌な

​ ことばかり言う人、となってしまう。

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 8月19日 家族会

 ​

・同居している息子は、最近、A型事業所に興味があるようだ。A型事業所は、社員扱い

 なのでいいな、と思ったのかもしれない。

                 ↓

 「興味があるなら、見学に行ってみたら」とアドバイスしよう。まずは、自分の目で見、

 耳で聞いて、実情を知って、自分に合っているかを確認することが大切だ。

・同居している息子が、母親の自営の会社で、1日5時間働き始めた。9時始業だが、

 9時ジャストにしか来ないので、給料袋に「9時10分前に来なさい」と書いた。

                 ↓

 発達障害者は、言葉をそのまま受け取るので、早めに来てほしい場合は、わかりやすく

 はっきりと「8時50分に来なさい」と伝えるのがよい。

・父親が断捨離中、同居している息子の箪笥のひきだしから、50万円をみつけた。その

 現金を、父親が勝手に銀行で定期預金にした。それを聞いた息子は「障害年金の申請中

 なのに、貯金がたくさんあったら、申請が通らなくなるかもしれないだろ!」と怒った。

 怒りと不安で眠れなかった息子は、次の日、B型事業所を休んだ。しかし、通院して、

 主治医から「貯金があっても、障害年金の申請は通るよ」と言われ、落ち着いた。

 父親は、息子の定期預金を解約した。そして、そのお金は息子に渡した。

                ↓

 息子は、母親にお金をもらって外食したり買い物したりしているが、今後は、その

 50万円とB型事業所で得た工賃を使うように言おう。たくさん現金を持っているの

 だから、親はお金を渡してはいけない。お金は「使ったら減っていく」ことを実感させ、

 自分が労働で得たお金を、自分の欲するものに使う喜びも味合わせてあげよう。

・父親と息子の関係がうまくいかず、父親はひとりでアパート暮らし、母親と息子は

 家で暮らしていたが、息子が「一緒に住む」と言い、10年ぶりに3人で暮らしている。

 お互いがお互いに、まだ慣れていないので、毎日ぎくしゃくしている。落ち着かない

 ようで、息子は、B型事業所の体験予約をキャンセルしてしまった。母親は、「最近は

 ものすごく前向きに進んでいたのに・・・」と落ち込んでしまった。

               ↓

 息子が「一緒に住む」と言ったことが、何よりも大きな大きな前進です。

 10年ぶりに家族がそろったのだから、落ち着かなくて当然。ぎくしゃくもするが、

 そこには、ほんの少しの「はにかみの気持ち」も含まれていると思うので、父親も母親

 も、ゆったりとした気持ちで、息子の様子を見守ろう。「父が一緒にいてあたりまえ」

 になったら、息子は再び動き出すだろう。その時、もし、息子に何か質問されたら、

 色々な選択肢を提案できるように、親も勉強したり見学したりして情報収集しておこう。

 しかし、息子に質問されて正確に答えられないことには「わからない」とはっきり言い、

 「まずは自分で調べようね」「専門家に自分で聞いてね」と言おう。

・母親の実家で、息子は一人暮らしをしている。今までは、宅配の受け取り、買い物は

 母親がしていた。しかし今は、宅配の受け取りは自分でできるようになり、母親の買っ

 てきた物を自分で家の中に運べるようになった。母親が「体調がよくないこと」を息子

 に伝え、「できない」とはっきり言ったからだ。

                 ↓

 先月の家族会で、この母親は、「膝がとても痛くて、辛い。もう、荷物運びや宅配受け

 取りはしたくない」と言っていた。それを、きちんと、息子に伝えることができ、息子

 もそれを聞き入れた。向き合って話して、ちゃんと伝わったのは、すばらしいです。

 

 親はどんどん年をとって、できないことだらけになること、もしかしたら、親は、突然

 死ぬかもしれないこと、そのために自分でできることはやる、できなかったり、わから

 なかったら誰かにたずねる、自分で調べる、親ではない誰かに聞くこと、公的な機関に

 出向くこと、通院して医者に聞くこと、そういうことがとても大切だ。

・一人暮らしをしている息子は、資格試験を受け続けている。しかし、「来年で最後にす

 る」と言っている。1年という期限が決まったので、「合格の場合、どこに住んで、ど

 こに勤務するか」「不合格の場合の今後」を具体的に考えておこう。ただし、合格した

 としても、長い間ひきこもっていたので、いきなり普通に勤務するのは難しいというこ

 とについても、きちんと話し合い、これからのことを考えさせよう。そして、親は、

 「資格試験に関するお金をだすのを最後にする」とはっきり言おう。

                    ↓

 ひきこもりで、司法書士などの資格試験を受け続けている人は、とても多いです。

 「難しい資格試験の勉強をしているのだから」という理由に、親も子どもも、寄りかか

 ってしまい、そこから抜け出せなくなっている場合もあります。特に、親にとっては

 「世間体がいい」し、資格を取ったら「きっと働ける」と思い込んでしまいがちです。

 この文章を書いている私もそうでした。母親の期待を、子どもは、特に発達障害の子ど

 もは敏感に感じ取ります。無意識のうちに、親の理想を子どもに渡し続けているかも

 しれません。何になりたいか、どう生きたいか、何が欲しいか、は本来自由のはずです。

 私の場合も、「母親である私自身が、資格に執着していた」ことに気づいて、それを

 きれいさっぱり捨ててしまったら、子どもも資格試験の話をしなくなりました。

 

 たくさんの人たちに「ひとを変えることはできないよ。でも、自分を変えることはでき

 る。そうすると、まわりが変わってくるよ。」とさんざん言われましたが、その通り

 でした。親が、まず、「執着」を手放しましょう。と言っても、時々は、「何かに

 執着する自分」が顔を出します。一生の「宿題」だと思います。

・同居している息子は、障害年金をもらえるようになった。しかし、本人はそのことを

 理解していない。息子は自分で更新ができないだろう、と母親は思っている。通帳の

 管理もできないと思う。最近、壁を蹴るときもある。何をどうすればいいのかわからな

 い不安があるようだ。

 次回の通院時に「2年後の更新の時までに、グループホームに入居させたい」と、

 主治医に言う予定である。

                   ↓

 息子にとっては、日課が決められているグループホームは合っていると思うので、

 具体的にすすめていこう。日中活動ができる場所探しも同時にすすめよう。

 金銭管理は権利擁護を利用できるが、利用の仕方等わからないことについては、まず、

 相談支援事業所に聞こう。そして、親が一切関わらなくても息子が生きていけるように

 していくことが、自立した生活を送ることとなる。

 

 

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 7月15日 家族会

 この日は、「障害年金受給申請」のため、「息子の生育歴」を作成したいという母親に

 皆でアドバイスしました。アドバイスする側もされる側も、話しながら忘れていたこと

 を思い出したり、新たな気づきもあったりして、よい時間でした。

 まずノートを一冊用意します。このノートに、子どもの年齢順に、その時の様子を書い

 ていきます。メモしたことをもとに、PC等で清書し、社会保険労務士さんに渡します。

 できるだけ詳細な方が、社会保険労務士さんとの面談時に時間もかからず、話し忘れも

 なく、よいと思います。

 「生育歴」を書くことは、結果的に、発達障害者であろう子どもの経験してきた「困難」

 つまり「生きづらさ」を浮き彫りにします。親がその時どう感じていたか、まわりの人

 達の反応はどうだったか、やりとりはどのようだったか、トラブルはあったのか、とに

 かく思い出したらどんどんノートにメモしていきましょう。

 「大きなできごと、トラブル」なんてなかったから、うちの子はずっと問題なんてなか

 ったと考えている親はとても多いと思います。しかし、家族会で皆で話したり、聞き取

 りをしていくと、「あ、それはおかしいよ」と指摘され気づくことがあります。

 今回、「生育歴」を作成したいという母親も「そういえば、昔、妹が、お兄ちゃんって

 変わっている」と言われていたことや、昔からずっと挨拶をしない、目を合わせないこ

 とに気づきました。また、幼少時、全ての車の名前を言えたこと、小・中学校の成績が

 良かったこと、一人暮らしを始めてからは調味料にこだわりがあること、車に執着して

 いること、など色々話してくれました。幼少時、何かを全て暗記する、というのは、

 頭がいい、と褒められたりすることが多いですが、機械的な暗記が得意な場合は、  

 「特定なものへのこだわり」がある「アスペルガー症候群」の可能性もあります。

 調味料をたくさん揃えなければ気がすまないのも、こだわりが強いということなので、

 日常生活をするうえで少し困難になるかもしれません。

 母親が「うちの子どもの良いところ」と思っていることこそが、典型的な発達障害の

 特徴かもしれません。

 

 生育歴は、もちろん社会保険労務士さんに渡すものであり、障害年金を取得するための

 参考資料になりますが、それよりも、作成するために0歳から現在までを、ゆっくりと

 母親が思い出す行為そのものが重要です。「ああ、あんなことがあったな。あの時、も

 しかして困ってたのかな。」と、自分と子どもに向き合う時間を持つためのものでも

 あります。

 ★生育歴を書くとき、親が忘れてはならない最も大切なことは、そもそも、なぜ、

 障害年金が必要なのかということです。なぜ必要なのか。障害を持った子どもが、

 親亡き後も生涯に渡って幸せに生きられるために、だと私は思います。

 「障害年金」「障害者手帳」はあくまでも、幸せに生きるためのツールです。取得する

 ことが「目的」になってしまわないようにしましょう。取得を急ぐあまり、目先のこと

 だけ考えるのはよくないです。俯瞰して全体を見渡すことが大切です。

 何かを進めるときは、立ち止まり、「誰かの考え」ではなく「自分で考えたことか」

 「自分は本当にそう思っているか」を自身に問い掛けてみましょう。

 そのうえでの「幸せに生きるために社会資源を使い倒す」です。「幸せ」の定義も

​ 親と子どもでは違います。子どもの幸せを、勝手に親が決めてはいけません。

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 6月17日 家族会

・息子は「訪問看護に来てもらうようになってから、自分は変わってきている。」と

 言っている。内職、パソコンスクール、サポートステーション、通院と毎日忙しくして

 いる。最近、B型事業所の見学にも行きたいと言い出したが、少し不安もあるようだ。

                     ↓

 実際に見学してから、落ち着いて、自分の通いたいところを考えればいいよ、と

 言おう。

・一人暮らしの息子の家の中に、母親が、買ってきた物を車から降ろして運んでいる。

 しかし、膝が痛くて辛い。

                ↓

 やめよう。母親は、車の中で待っていて、息子が荷物を取りに来て自分で部屋に運ぶ

 べき。または、息子がネットスーパーで買い、自分で受け取ることにするべき。

 せっかく一人暮らしをしているのだから、母親は家に行くのをやめよう。

・一緒に住んでいる息子は、離婚した夫の苗字だが「母の苗字に変えたい」と言ってき

 た。マイナンバーカードも作り、家事も母親の仕事もきちんとやるようになってきた。

                ↓

 もしかしたら、母親の自営の会社を自分が継ぐということを意識し始めたのかもしれな

 い。

・一人暮らしをしている息子が、近くにできたB型事業所の見学に行った。しかし、その後

 事業所に連絡しようとはしない。なかなか前向きになれないようで、「生きてても

 しょうがない」と言っている。心配した母親は「家に帰ってくれば」と言った。

               ↓

 せっかく一人暮らしをしているので、家に連れ戻さないほうが良い。息子は「家に帰り

 たい」と言ってない。親は先回りをしてはいけない。

 息子が「苦しい」と言っているなら「医者に相談しよう」と言おう。親は適当なことを

​ 言わずに「専門家」にすべてゆだねるのがよい。

 

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 5月20日(土)家族会

 

 ・ずっと訪問看護を受けていた息子が、発達障害の検査のため、自分で病院に行った。

  結果はまだだが、診断が出ると、色々なことがうまくいかなかったのは、自分のせい 

  ではなく、障害があったからなんだと腑に落ち、これからのことを落ち着いて考えら

  れるようになるかもしれない。

 ・7月末に家族4人で2泊3日の旅行に行く。オレンジのB型事業所に通っている息子

  も行く予定だが、自分で職員に「7月の○○日休みたい。」と伝えることができるか

  見守りたい。            ↓

  母親が作業所に伝えたり、子どもに「職員の人に連絡するんだよ」とわざわざ教えて

  はいけない。もし、息子が旅行のことを伝えず、無断欠勤になり、注意され、周りに

  迷惑をかけることになっても、よい。自分が何を失敗したのか、だめだったところは

  どこなのか、しっかり認識できることが大事。たくさん失敗して成長していくのが

  B型事業所である。

 ・B型事業所に通っている息子を、毎朝起こしていた母親が「明日からは自分で起きよ

  う。私は起こさないからね。」と宣言した。次の日から息子は、自分で起きてくる

  ようになった。母親の強い決意を感じたのかもしれない。

  この母親は「宅配の受け取り」「お小遣いを渡すこと」も辞めたいと思っているが、

  まだ実行できずにいる。     ↓

  母親の揺るぎない決断の気持ちを感じたら、あっさり自分で何でもやるのではない

  か。せっかくB型事業所に通っているのだし、お金を渡すのはやめ、賃金の中で

  やり繰りさせよう。

 

 ・今年度の目標「息子と話す」ことができている、と感じている。息子は少しづつ、

  心を開いてくれて、「小学校の時の気持ち」を話し始めた。母親は「親とだけでなく

  もっと若い人や支援者と話してみるのもいいのでは。」と勧めているところだ。

 

 ・一人暮らしをしている息子の所に食料を届けたり、ゴミ出しをしたり、宅配受け取り

  したりするために、通っている。しかし、とても疲れてしまうので、「宅配受け取り

  はもうしない。」と 伝えた。息子は全く文句を言わなかった。

                  ↓

  息子は心の底では、「自分でできる」と思っている。しかし、親がやってくれるなら

  「楽でいい」となっている。親は世話を焼かず、何でも自分でやらせよう。

 

 ・息子はカードで沢山買い物をし、引き落としができないこともよくある。その場合は

  母親が補填している。     ↓

  親が補填してはいけない。「引き落としできない状態」のままにしておこう。子ども

  が困らないといけない。このままだと、息子はずっと沢山買い物をし続けるだけだ。

  しかも、息子は補填に関し、親に感謝はしない。実は「僕は親に見下されている」と

  感じていることのほうが多い。誰でも、親にお金をもらったり、何かをしてもらった

  ら、「楽でいい」が、心の奥底では「こんなことを続けたら、自分はどんどんだめに

  なる」とわかっている。

  ★B型事業所に通っていたり、障害年金をもらっていたり、内職をしていたり等、収入

​   がある場合は、そのお金を自分で管理させ、使い方を考えさせよう。

   

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 4月15日(土)家族会

 

 今回の家族会では、それぞれが「今年度の目標」をたてました。

 できるだけ具体的に、あまり無理せずできることにしました。やり遂げるためです。​​

 いつから取り組むのか、期限はいつか、はっきりさせることもとても重要です。

 

・目標「息子と週2回、話す態勢をつくること」

 なかなか本音を言わなかった息子が、最近とても話したそうにしているから、しっかり

 聞きたい。そのためにも、親は自分の体調を整え、穏やかな気持ちで過ごし、良い

 雰囲気を作り、息子が話したいときにきちんと聞けるように備えたい。

・目標「B型事業所に通っている息子を、朝起こさない&起こさない理由を夫に説明する」

 父親と母親が、朝、息子を起こしているが、自分で起きられるようにしむけていこう。

 スマホのアラーム機能を使う、目覚まし時計を使う等、自分で起きる方法はいくらでも

 ある。

 父親は息子の世話をずっとし続けたいようだが、せっかく支援施設に通っているのだか

 ら、「寝坊して遅刻しそうになった時、どうするのか」を自分で考えさせるいい機会と

 捉えよう。              ↓

 夫に「なぜ、親が起こしてはいけないのか」を説明し、夫婦ともに同じ方向を向いて

 息子を見守ろう。

・目標「教会のミサに月2回出席する」

 仕事が忙しく、ここ何年かは参加できなかったが、ミサに参加すると、心が落ち着き、 

 息子へのイライラがなくなる。

              ↓

 母親の気分が良いと、息子にもそれが伝わり、無言で母親を気遣う行動もしてくれる。

・目標「息子の世話を焼かない&自分のことを優先する」

 先走ってやってしまい、かえって息子に鬱陶しがられることがよくある。

               ↓

 何でも親がやってしまうと、何も考えなくなってしまう。ご飯を持ってきてもらえる、

 宅配も受け取ってもらえる、ゴミも出してもらえる、という生活だと、外に出なくても

 人と会わなくても、何とかなってしまう。「親が手出ししないこと」が生きていく方法 

 を教えることである。

 母親は自分が忙しかったり、体調が悪かったりしたら、まず自分の心も体も休めよう。

 「苦しいけど、息子のためにあらゆることをやってあげる」のはやめよう。

・目標「週3日、夜のお菓子をやめる」

 いきなり、お菓子は一切食べない!とすると、イライラしてしまい、よくない。

 まずは、週3日から始めよう。

             ↓

 なかなか目標をたてても、実行するのは難しい。でも、親ができないのに、息子には

 「ああしろ、こうしろ、こんなふうにしてほしい、こうなってほしい」と思うのは

 よくない。親も決めたことをやり遂げよう。

・目標「息子について、何もしないことを貫く」

 子どもが動き始めようとしているときだからこそ、親は口を出さず、子どもが自分で考

 え、選択するのを、見守ろう。

              ↓

 子どもが「一人暮らしをする」と言ったので、思わずアパートを検索し始めてしまった

 と、父親が家族会で話してくれました。しかし、「親が探してくれたアパート」は、

 「子どもが自分で考え決断したもの」ではないので、いつか綻びが生じるということを

 家族会の話し合いの中で悟ったとも、父親は語りました。

 ・目標「(子どもが)欲しいって言ったか、と考える」

  親に何かしてもらうのは楽だから、その場では、子どもは文句を言わないが、「何か

 いやだな」という感じは子どもの心の中に積もっていく。

 子どもが「欲しい」と言わないのに、どんどん与え続けるのは、考える力を奪っている

 こと。

 

 「何もしない」ことは、「何かをしてあげる」ことより難しい、と感じている家族会の

 人たちも多いようです。「何もしない」ことは、無視したり、縁を切ることではありま

 せん。家族は、「ここぞ」というときのために、常にアンテナを張り、情報収集をし、

 色々な選択肢をもつべきです。そのためには、「社会資源」と言われる、各種制度、

 サービス、支援団体、ネットワーク等を使い、連携することが大切です。

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 3月18日(土)家族会

・B型事業所に通っている息子の通帳を、母親が管理している。この口座には工賃が

 振り込まれている。

                    ↓

 その通帳は本人に管理させよう。労働で得た収入を自分の自由に使える喜びを味わうこ

 とはとても大切。そして使えば減っていくことも認識させよう。

 どんな小さなことでも自分でやらせよう。親が息子の意欲を潰してはいけない。

・入院した時に「その体重だと麻酔が効かないよ」と言われた不安からか、息子の気持ち

 が変化してきた。散歩、食事制限(ご飯を少なくする・一食分ゼリー食にする)をする

 ようになった。そして、ご飯を家族と一緒に食べるようになった。家族でスタバにも行

 き、息子は自ら店員さんと言葉も交わしていた。親戚も交えて、入院している祖母を見

 舞った。また、発達障害の検査も受けた。

                 ↓

 行動するようになったのは、自分の年齢、親の年齢を意識し始めたからかもしれない。

 これを機に、親も体が辛かったら病院などには息子一人で行ってもらうようにしよう。

・一人暮らしの息子は最近イライラしている。原因は「通帳残高が少なくなってきたこ

 と」と「仕事に行ってないことを、父親に言えないこと」である。「歪んだ家族だ」と

 言っている。しかし、母親には昔の話をするようになってきた。以前、働いていた会社

​ で、上司に頭をたたかれたこと等であるが、通院できているのだから、先生に話そう。

・息子は、母親の実家で一人暮らしをしている。その実家の庭の草引きを、息子と母親で

 した。とても大変だった。このような時は良い機会なので、「こういう一軒家に住むと

 草引き以外にも、自治会等やることがたくさんあり、特に近所付き合いが本当に大変

 だ」と伝えよう。それが自分でできないのなら、母親の実家から早く出て、アパートで

 一人暮らしをすることを提案しよう。

                ↓

 ゴミ出しや食材の買い出しを母親がやってしまうと、ひきこもりの子どもは全然困らな

 い。「スーパーが近くにないから買ってきて」と言うのであれば、その困り事を解決

 する方法としてスーパーが近くにあるところに引っ越そうというように持ち掛けよう。

 食べ物を持って行ってあげないとかわいそう、お金をあげないとかわいそう、と考えて

 ずっと、ひきこもりの子どもの世話をしていたら居心地がいいので、絶対動かないし、

 外に出ない。困らせて、自分で考えさせよう。親がいきなり亡くなっても、生きていけ

 るように、「親」ではなく「他人」に頼ろう。医者、NPO法人、区役所の福祉関係

 など、「他人に頼ること」が「自立」である。ひとりで何もかもやること、家族内で

 完結させるには無理があり、かえって「自立」への道のりが長引くことが多い。

・訪問看護師2人に、息子一人で対応している。最近通い始めたPC教室も続いてる。内職

 代2万円、教室代1万6千円なので、自分で払っている。内職部品の受け取りは母親が

 している。その内職について、母親が会社から注意を受けた。「できあがった製品に

 傷がある」ということだった。息子に伝えたら、「わかった」と言ったが、その後

 できあがったのは、また傷のついた製品だった。母親が会社に行き、やり方を教えても

 らい、それを伝えたが、息子は「ずっとこのやり方だから、ほかのやり方はできない」

 と言った。なので、息子ができないところは、母親がやっている。

                  ↓

 その場合は、母親がやった分の賃金は息子から貰おう。

 内職も立派な息子の仕事なのだから、母親から伝えるのではなく、息子が会社へ行って

 理解できるまで説明を受けよう。できる内職に変えてもらう申し出をするのも可。

 

 

・ひきこもりの息子と父親の折り合いが悪く、父親は自宅を出て、10年間アパートで

 一人暮らしをしている。父親は夕食は自宅で食べ、寝るとき、アパートに帰る毎日だ。

 最近息子が「一人で、父のアパートに寝てみる」と言いだし、一晩ひとりで過ごした。

 翌日、息子は父親に「お父さんは自宅で寝て。僕がアパートを借りて一人暮らしする」

 そして「お父さん、10年間も申し訳なかった」と言ったことには驚いた。

                ↓

 まずは一人暮らしをするためのお金の流れを紙に書いて可視化しよう。B型事業所で

​ 作業をして収入を得るという選択肢も提示しよう。

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 2月19日 家族会

・ひきこもりの息子の入院中に、息子の許可を取り、自宅のベッドの掃除をした。部屋が    

 片付けられなくて、ひどい状態だ。

              ↓

 発達障害の検査をしてもらおう。障害がわかることにより、今までのうまくいかなかっ

 たことや苦しかったことが「自分のせいではなく、障害だった」とわかり、精神が安定

 することもある。

・一人暮らしの長男が地元に帰ってくることになった。長女は4月に結婚の予定だ。ひき

 こもりの次男に、兄妹の近況を伝えたほうがいいか?

              ↓

 同居するのでないなら、わざわざ伝える必要はない。

・オレンジの会の施設外就労の仕事をしているそうだが、発達障害の息子にはこだわりが  

 あり、施設外就労先のやり方と自分のやり方が違うことを受け入れ難いとのこと。

              ↓

 発達障害の特性が出ている。障害者枠で就職したとしても「こだわり」が強すぎると

 苦しいことが多く、辛くなるかもしれない。

・正月に、母親がコロナウィルスに罹った。普段は全く接しない父と息子が仕方なく関わ

 り合うようになった。

              ↓

 親が病気になった時は、チャンスと捉えよう。親は何もせず、全て息子に任せよう。

・月曜から金曜までB型事業所に通っている息子の現在のマイブームは「食べ放題レスト

 ラン」と「DVDに録画」である。これらのお金は全て親が出している。

              ↓

 せっかくB型事業所に通っているのに、ただお金が貯まっていくだけになっている。

 ATMの使い方を教えて、自分で、自分の通帳から引き出して使わせよう。「使ったら

 減るのがお金」と理解しないといけない。

・兄は自宅でひきこもっている。弟は母の実家でひきこもっている。父親は兄には

 お金の話をするが、弟には何も話さない。兄は「両親が亡くなったらどうしよう」と

 言っている。

                ↓

 これからのことを具体的に話そう。毎月の生活費を具体的に紙に書き、可視化しよう。

 母親が金銭的に支援している弟については、お金を出す期限を決めよう。弟は「資格

 試験」も受けているが、いつまで受けるのか期限を決めよう。期限は具体的に!

・自宅でひきこもっている息子に、訪問看護に来てもらっている。「疲れてるから、お母

 さん出て」と言っていた。しかし最近は、看護師と「PC教室通っているけど、やめる

 つもり」「内職やってる」と話している。次の週には、「面白いからPC教室を続けよう

 と思っている」と話した。複数の看護師のうち、息子と気が合う人が毎週来てくれるよ

 うになり、息子は楽しみにしている。PC教室代は、内職代から自分で払っている。

                 ↓

 もし、お金が無くなって教室に通えなくなっても親がお金を出してはいけない。せっか

 く今、自分で払っている喜びを感じているだろうから、内職量​を増やす、B型事業所に通

 う等、更なる収入が得られる方法を提案し、親は、息子が今の気持ちを継続できるよう

 な協力をしよう。

・自宅でひきこもりの息子は高校卒業。娘は大学卒業と留学。お金のかけ方に差があり、

 親としてはもやもやしている。

                ↓

 差があるのは仕方がない。息子が親にお金を要求してきたら、貸すという選択もあるが

 大人同士の対等な立場で息子と話し合い、借用書を交わすとよい。

・冬は寒いので、訪問してくれる看護師のために、自宅の床にラグを敷いたが、息子は

 「ラグは調子が悪くなるから嫌だ」と言い、撤去してしまった。

                ↓

 看護師はお客ではないので、ラグはなくてよい。あくまでも「息子のために」来てもら

 っている。

・所有している田に測量関係の調査が入り、立ち合いが必要になった。それに、息子が

 行ってくれた。

                ↓

 看護師と話すことが社会に一歩踏み出せたことと感じ、自信がついたのかもしれない。

 もっと社会とつながれるように、こ​れからも家のことを色々、息子に頼んでみよう。

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 1月21日 家族会

・週に一度、2人態勢で訪問看護してもらっている。体温、血圧、1週間の様子を話す。

 その後は、看護師2人、母親、息子の4人でトランプをしたりする。看護師は、時々、

 来る人が変更になるのだが、息子と合わない人もいるようだ。そういう時、息子は「あ

 の看護師は好きではない」と言っている。

                 ↓

 訪問してくれる看護師を話題にでき、「好き嫌い」を言えるのは良いことだ。自分の

 気持ちを、母親に話しているということだから。

 看護師には、息子の言っていることを全て話そう。密に連絡を取り合おう。支援してく

 れているひとには、きちんと話すことが大切だ。支援者と信頼関係を築き、困ったこと

 は相談しよう。

・息子の部屋にパソコンのテキストとメモ書き(パソコンスクール14時)があった。母

 親は、そのことが気になっているが、聞けないでいる。

                ↓

 母親が息子に尋ねるのではなく、医者や看護師から聞いてもらおう。例えば、「今、興

 味のあることは何かな?」など。

・祖父の卒寿の宴席に、息子は出席できた。一人で辿り着けるかのかと心配していたが、

 お店には一番早く着いていた。服装も、お祝いの席にふさわしいものだった。

・息子は頼んだことは、仕事でも買い物でも、必ずきちんとやってくれる。母親は、とて

 もうれしく思っている。

                 ↓

 発達障害の人は、物事の優先順位がつけられないことが多いので、「やってね」と言わ

 れたことは全て一度にきちんとやろうとして、疲れてしまう。なので、何か頼む時には、  

 何回かにに分けよう。

・一人暮らしをしている息子が、最近、母親に話したこと。

 「他のひきこもりの人は、生活費をどうしてるの。」

 「昔、働いていた時の辛かったことを思い出すと前に進めない。」

 「人と関わるのは苦手。」

 クリニックに月一回通っている。父親とは、以前よりは話せるようになったが、「働い

 ていないこと」は言えないでいる。母親は、「苦手なことを克服できたらいいな」と

 思っている。

                ↓

 「発達障害」は「障害」なので、治るもの、克服するものではない。自分の苦手部分を

 人に話し、理解してもらい、自ら支援を求められるようになることが大切である。

・母親の実家で一人暮らしの息子は、年明けから荒れていて、「通院したくない」「一軒

 家は寒い」など、文句ばかり言っている。

                ↓

 すかさず、「一軒家が寒いのなら、アパートに引っ越そう」と声かけしよう。

 いつまでも母の実家では暮らせないことを、生活費の収支表を細かく具体的に作成して、

 見せて伝えよう。​発達障害者には「可視化」が必要である。

 母親の実家に住んでいると家賃はいらなく、光熱費や食費も息子は払っていない。

 祖母や両親が亡くなった後、収入もなく自立ができていない息子が、一軒家を維持して、

 誰にも頼ることなく一人暮らしをすることは難しいことを理解してもらおう。

 「作業所に近いアパートに引っ越し、障害年金と作業の賃金での一人暮らしをする」と

 いうことを、親が動けるうちに、というよりも、できるだけ早く実現させよう。これは

 かわいそうなことではない。両親亡き後、母の実家の一軒家でお金が無くなり、ひきこ

 もったまま、困窮するほうがかわいそうである。

 また、声かけは、タイミングが大事である。「まさに、今」を逃さないためにも、親は

 情報を収集し、子どもをよく見ていよう。

・一人暮らしの息子は、一か月に一回、母親の家にやってきて、スマホから印刷をしてい

 る。200枚以上印刷するときもあれば、20枚のときもある。気になる記事を見つけ

 ると、印刷したくなるようだ。しかし、印刷した後は、箱に入れて見返さないようだ。

                ↓

 築30年のアパートに住んでいるので、近い将来、建て直しがあった時に、荷物が(特

​ に紙類)多いと引っ越し費用がかさむということを伝えよう。

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 12月17日 家族交流会

​・一人暮らしをしている息子は、最近料理をするようになった。調味料と野菜にこだわり​

 があるようで「発達障害の人が食べると良い野菜」を取り寄せている。朝は5時半に起

 き、自転車に乗り、その後、座禅を組んでいる。そのようなことをすることで、何だか

 調子が良いような気がすると言っている。

                ↓

 一見よいことをやっているようだが、極端すぎるのはよくない。こだわりが強すぎると

 社会へ順応しにくい。

・息子がキレる時は目つきでわかる。なぜキレるのか聞いたら「世間からつまはじきにさ

 れているから」と。親がいなくなったら何を生きがいにしたらよいか、とも言っている。

         ↓

 まずは本人にどうしたいのか聞いてみよう。

・先日、父母が二人で旅行に行ったが、本当は息子も行きたかったのかも。高速道路の

 振動が嫌ということだ。息子はネットで買い物をよくするが、届くとそれで満足して

 しまい、中身を見ない。「発達障害かも?」と息子が言うようになった。

               ↓

 車の振動の件、ネットの買い物の件、どちらも発達障害のこだわりが見られるよう

 なので検査を受けると本人も自分の症状について納得できるのでは。

・母の実家で一人暮らしをしている息子の資格試験の受験料を、母親が出している。

               ↓

 息子は障害年金を受給しているし、家賃もかからず、光熱費は母親が出しているので、

 資格試験などのお金は自分で何とかしよう。父母は年金生活者であり、突然いなくなる

 こともあるので、生活に関わるお金のことを、具体的な数字をはっきりと紙に書いて

 息子に提示し、今後のことを考えさせ自立を促すようにするとよい。

・「さみしい」と書いた紙が、母親の目につくところに置いてある。時々キレるし、わざ

 と大きな音をたてる。原因が知りたい。また、外出時に、マジックと袋を持っている。

 以前、袋に石を入れていたことがあったので、危険な気もするし、心配だ。

               ↓

 外出時に必要のない物は持って出かけないよう、随時声掛けをしながら見守ろう。

 わからないことや判断できないことは、主治医に相談しよう。

・息子が訪問看護に来てくれた医者、看護師と話をした。医者には「引きこもっている

 ことに不安は感じない」と言った。一週間に一度来てもらうことになった。

               ↓

 慣れていって、通院できるようになるとよい。親は、息子が何かできるようになっても

 息子の前では喜ばないこと。逆に、できなくなっても残念に思わないこと。親の心を常

 にフラットに保つ​ことがとても大切である。

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 11月13日 家族交流会

​・訪問看護について迷っていた息子だが、とうとう来てもらうことになった。

               ↓

 誰でも、特​​​に新しいことに対しては迷うものだ。迷うのは、やりたいという気持ちが根

 底にあるということ。そのような時、親は、子どもと一緒になって迷ってはだめ。親は

 「医者と会う」と決めたら、それを崩さないようにしよう。ただし、もし、当日、急に

 「やっぱり嫌だ」となっても、親は落胆しないように。

​・B型事業所に通う息子は、土日は生活リズムが乱れて、昼夜逆転になる。月曜日はいつも

 眠そうだ。月曜日起きられるか心配だが、父母はあえて日曜日月曜日に旅行に行くこと

 にした。いつも朝起こしてくれる親がいない状況を乗り越えてほしいと思っている。

                 ↓

 親のいない月曜日。次回の家族会で話を聞くのが楽しみです。

 しかし、B型事業所に通ってくれるだけで充分!と思ってしまい、何もかも親がやって

 しまう、世話をしてしまう、というのはやめよう。自分のことは自分でやらせよう。

 子どもにお伺いをたてたり、お願いをすることもやめよう。

・息子は35歳で、一人暮らしをしている。集団にとけこむのが苦手である。母親とは

 普通に話せる。最近「高校くらいから、人が怖い、不安があった」と息子が打ち明けて

 くれた。2度、就職したことがあり、貯金は多少あるようだ。

                ↓

 「貯金がなくなったら、どうするの?家に帰ってくる?」等、先走って、色々心配は

 しないようにしよう。親が勝手に、息子は「これが心配なんだろう。こうしたら喜ぶ」

 と想像して動くのはやめよう。

・息子は、母と祖父のために買い物をしてきてくれるが、買いすぎるところがある。

                ↓

 息子にはっきりと「いる」「いらない」と言おう。発達障害者には、はっきり言わない

 とわからない。

・一人暮らしの息子は、「菌」にものすごい恐怖を感じている。買い物や、ネットでの

 買い物の受け取りは、母親がしている。物が床に落ちたら、触れないときもある。母が

 何かを落とすと、怒る。

              ↓

 母親は「もう何もやらない」と宣言しよう。母親が、買い物もゴミ出しも、何でもやっ

 てくれたら、外に出ていかなくても生活できてしまう。好きなことに関しては、外出

 できるようなので、母親が世話を焼くのは、やめよう。障害年金の使い方も親子で話そ

 う。

 

 10月23日 家族交流会

​・訪問看護をしてくれるクリニックの診察に、息子が「行く」と言ったが、5分後には

 「やめとく」と気が変わった。その会話の後、母親が「社会とのつながり」「障害年金」

 「通院」について話したが、息子は「そんなことわかってる。お母さんは未来ばかり

 考えすぎている!よくない!」と少し怒っているようだった。

              ↓

 親は「子どものため」と思って話しているが、「あなたのためなんだよ」という言い方

 をされると、誰でも反抗したくなる。「あなたのために」ではなく、「私(親自身)の

 ために」と言おう。

・母親が社労士に、障害年金申請のために必要な書類作成をしてもらった。

               ↓

 自分で申請するより、専門家に依頼するほうが良い。不備もなく、スムーズに進む。

​・息子は、担当医師を拒否している。家の中に「医者死ね」というメモが落ちている。

 前回の診察時に何かあったらしい。そのせいか、息子は最近落ち着きがない。家の二階

 の足音からイライラが感じられる。

              ↓

 「現在担当の医者が嫌なら、次回一緒に行って、交替してもらえるかどうか、きいて

 みよう」と息子に話そう。母親が勝手に医者に伝えるのではなく、本人が「何が嫌だっ

 たのか」自分で伝えよう。

・息子はB型事業所に休まず行っている。平日は疲れるようで、帰宅後いったん寝るので、

 夜ご飯は家族と食べない。土日は昼夜逆転しているので、月曜日は眠そうだ。医者には

 月一回、母親と一緒に診察室に入っている。息子は「月曜日は辛い」と伝えた。B型事業

 所で得たお金は使っていないので、通帳には貯まっているはずだが、母親のカードで好

 きなものをネット買いし、出かけるときは「お金欲しい」と言う。

              ↓

 欲しいものは、自分の通帳からおろして買おう。自分で働いたお金で、自分の欲しいも

 のを買う楽しみ、喜びがわかると、働くことの意味も見えてくる。そのためにも、母親

 は、お金をあげてはいけない。

・アパートで一人暮らしをしながら、B型事業所に通っている息子が、「新聞紙を十字に

 縛る方法を教えて」と連絡してきた。母親はアパートへ出向き、教えた。

              ↓

 発達障害者の中には「一般の人なら、難なくこなせること」ができない人も多い。聞か

 れた場合には、親がすぐに何とかしようとするのではなく、B型事業所の職員に聞こう

 と伝えよう。いつまでも親は生きていない。親ではない人、特に専門家に頼ることこそ

 が「自立」だ。

・息子がパソコンで「ひきこもり当事者の話」を視聴した。母親は「息子にとっての進歩」

 と思った。

​・母親の運転する車で、遠くのスーパーまで行っていたが、母親が入院することになり、

 その間に息子は、近くのスーパーで買い物をするようになった。母と祖父の欲しいもの

 も買ってきてくれるようになった。自分の欲しいものは自分のお金で、それ以外は母か

 らのお金で買い、買い物後はレシートとお釣りも母に渡している。

              ↓

 困った事態に直面し、「知り合いに会うかもしれないから嫌だ」と避けていた近所の

 スーパーに行けるようになっていた。母親の入院は喜ばしいことではないが、やはり

 「困った!どうしたらよいのか」と息子が自分で考える良い機会になったようだ。

・一人暮らしの息子は、月一回一人で通院している。最近は、絵をSNSに挙げて「いいね」

 をもらうのがとても嬉しいようだ。オフ会が開かれる東京へも一人で行った。好きなこ

 とのために電車に乗ることはできる。しかし、ゴミ出し、買い物、ネットで買った物の

 受け取りはできず、母親を呼びつけている。母親はお金も渡している。

             ↓

 一人暮らしとはいえ、母親の実家で暮らしているのだし、障害年金ももらっているので

 母親は息子にお金を渡してはいけない。今ある自分のお金で生活する方法を考えさせよ

​ う。

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 9月17日 家族交流会

​・一人暮らしをしている息子が、一か月に一度、うちにやってくる。明るい表情である。

 オレンジの会のB型事業所で毎日働いている。母親としては、障害者枠の就職より、

 ずっとオレンジの会で働いてほしいと思っている。もちろん本人が決めることである

 が、障害者枠で採用されて、精神障害に理解のある人たちに囲まれたとしても、やはり

 時々は、一般の人々をイライラさせてしまうのだろうと思うと、いたたまれない。

                ↓

 オレンジの会のB型事業所では、長期的に利用し続けても生活が成り立つぐらいの工賃が

 支払えることを目指している。それが実現したら、就職することに対して不安を感じて

 いる人も、就職することなく生活を少し豊かにし、楽しめるようになる。

・一人暮らしをしている息子は、最近、絵を描くことに熱中している。司法書士のネット

 授業も受けている。病院にも一人で行っている。同じ病院に、母親も通い、医者から

 息子の診察時のことを聞いている。

 安定している親子に見えるが、息子は自分の思い通りにならなかった時や、母親が自分

 の思った通りに動かなかった時は、一時間くらい怒り続ける。毎日、夜、息子に電話

 しているが、その時も2時間くらいしゃべり続けるときがある。

               ↓

 ものすごくしゃべるので困っている、と母親は医者に話そう。たくさん話すから明るく

 て良くなっている、とは限らない。躁状態なのかもしれない。躁うつ病の人が、

 「うつ」だけの薬を飲み続けるのは危険な場合もある。

・夫婦二人で、色々なクリニックを訪れている。その中で、訪問看護をしてくれる精神科

 専門のクリニックに出会った。母親は「クリニックで話をして楽になったよ。訪問看護

 もあるよ。」と息子に話したら、興味をもってくれた。しかし、一度はクリニックに

 行かないといけない。そのことをどう伝えればいいのだろう。

               ↓

 「一度はクリニックに出向かないといけない」とストレートに伝えよう。

・精神障害者手帳1級を取得した息子は、すぐにネットで障害者枠の就職先を探し始めた。

               ↓

 B型事業所に最低でも一年間は通所することで、自立した生活リズムが徐々に確立されて

 いくと思う。自立した生活リズムが整った上で、B型事業所の職員に就職希望の意思を

​ 伝え、本人に合った就職先を一緒に探してもらうと良いでしょう。

 B型事業所での「訓練」も大事だが、日常生活での「自立に向けた訓練」もしよう。

 B型事業所に通っている間に、自分のことは自分でする、というのが当たり前!に

 しよう。

・一人暮らしをしている息子と母親は、毎日夜11時から、お互いの安否確認の電話を

 している。母親は家族3人で住んでいるので、安否確認してもらう必要はないのだが、

 電話してしまう。

                 ↓

 母親は「息子には『私』しかいない」と思い込んで、常に息子の相手をしているのでは

 ないか。そうすると、ますます「母以外の人」と息子がつながる機会がなくなってしま

 う。他とつながるためには、母親が息子の世話を焼くのをやめよう。息子が孤独に

 なってしまうと思いがちだが、困ったら、息子はきっと何とかする方法を探す。息子が

 自分で動いたり、考えたりする機会を奪ってはいけない。NPO法人や行政、医者に頼る

 ことが大切と伝えよう。「自立」とは「孤独」ではなく、家族以外の人、または専門家

 (たとえば、医者も心と体の専門家)に頼ることである。いろいろな人と関わり、生活

 していくことが「自立」である。

・息子が、将来への不安からか、自分の体重を気にし始め、ダイエットを始めた。オンラ

 インで、ひきこもり経験者の話も聞いていた。医者と、将来のお金に関する話もした

 ようだ。両親が亡くなったら僕は生きる意味がない、とも言っている。良い機会なので 

 毎月の生活費、固定資産税など、お金に関することを書き出し、壁に貼っておいた。

               ↓

 持ち家の一軒家にひとりで住んで、お金の管理、近所付き合い、毎日の生活は、ひきこ

 もりの人にとって難しい。オレンジの会の施設に通い、一人暮らしをすることを考えよ

 う。

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  8月20日   家族交流会

・一人暮らしをしている息子は、もうすぐ精神障害者手帳の更新時期だが、最近は落ち着

 いているので、もしかしたら更新できないかもしれないと母親は心配している。

                  ↓

 心療内科で「できること」「良いこと」だけ話すと更新できないかもしれない。医者に

 は、一番落ち込んでいる状態のことを話そう。

 親から見て「良い状態になってきた」と思っても、一般の人には「なんか変な感じ」と

 思われることの方が多い、ということも知っておこう。

 この息子の場合も、大好きな熱帯魚の世話は完璧にでき、そこだけ見れば、もう大丈夫

 なように思える。しかし、自分が頼んだ宅配の荷物を受け取れず、離れたところに住ん

 でいる母親に、コンビニで受け取らせ、その荷物は息子専用のプラケースに入れて渡さ

 なければならない。宅配の荷物以外にも、自分の手で触りたくない物が多いので、非常

 に精密な作りのマジックハンドを使い、自分の部屋の「物の移動」を行っている。床に

 落ちてしまったリモコンも触れないので、足の指で扱っている。これらの行動の理由は

 「死なない菌があるから」と息子は言っている。

 これらの行動は、どう考えても「安定した、落ち着いた、よいこと」ではないので、全

 て、医者に話そう。

・子どもが生まれてから現在までの様子を記したものを「生育歴」と言い、障害年金受給

 に必要なものである。「生育歴」を書こうとする場合、多くの親が「今はひきこもりだ

 が、小さい頃は普通だった、よいこだった」と言う。しかし、家族会で話しているうち

 に、「そういえば」と思い出すこともあるので、とにかくどんなことでも「言葉にする」

 ことは大事である。

 そして、子どもの「変わった言動」だけを思い出そうとするのではなく、「褒められた

 こと」「すごい!天才」と周りに言われたことがないかも思い出そう。「天才的」とい

 うことの中にこそ、発達障害の要素があることが多い。

 例えば、「幼稚園児のころ、皆と遊ばず、ある映画のセリフをずっと一人で話し続けた」

 というエピソードを家族会で話してくれた母親がいた。4歳の子が映画のセリフを丸

 暗記するなんてすごい!と思うが、発達障害者には、見たものを写真のように記憶に

 残せる人が多いので、神童と呼ばれることも多いのだ。

 「食」にこだわりのある発達障害者も多い。毎日同じものを食べ続ける等、である。

 周りからは、大好きなんだね、とほほえましく見られがちだが、「好きだからやるわけ

 ではなく、やらなければならない」という感覚で行動しているので、本人は苦しんでい

 ることもある。

                 ↓

 この「そればっかり」という行動は社会では通用しない。将来、一般企業で働きたい

 場合は、障害者枠で応募し、自分の苦手なこと、こだわり、を面接できちんと説明でき

 るとよい。

 「生育歴」を書くのは、障害年金を取得するためであるが、社会へ出るために「自分を

 知る」ことでもある。

 

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  4月23日   家族交流会

・息子が40歳になったことで、「子どもも親も歳を取っていくのだ」という実感が

 強くなり、不安を募らせる毎日だ。来月、親戚の結婚式に父母二人で東京に出向くこと

 になり、息子が「もし二人になにかあったら、どうしよう」と心配しているようだ。

               ↓

 お互いに不安に思っているのなら、いい機会と考え、親が元気な今のうちに、息子に

 伝えておきたいことを具体的に細かく紙に書き出し、話し合うのがよい。

 例えば、親が亡くなった後も、現在、親とともに住んでいる持ち家に住み続けたいと

 息子が思っていても、一人で持ち家の管理(税金、修理など)、家事全般(家電が壊れた

 時の買い替え方も)、近所との付き合い(消防団、町内会)をするのは難しい。

 親子ともに元気で動けるうちに、NPO法人オレンジの会の施設に見学に行けるとよい。

 世帯を分け、名古屋で一人暮らしをして、NPO法人オレンジの会の施設に通うという

 選択肢もあることを息子に伝えよう。

・息子が、精神科に行かなくなってしまった。いつもなら息子一人での診察後に主治医が

 「お母さんも入って」と言うのだが、ある日「お母さんと代わって」と言ったことで

 息子が診察室から出てしまったことが原因かもしれないと母親は思っている。

               ↓

 次回予約日、息子に「あなたに一緒にいてほしいと私が思っているから、一緒に診察室

 に入ろう」と言ってみてはどうか。

 もし、息子が通院を嫌がっても、母親は通院し続けよう。

・通っていた精神科病院の担当医が開業することになり、通院が大変になった。自宅から

 かなり遠いからだ。しかし、その医者を信頼している息子は、今までは母親が運転する

 車での通院があたりまえになっていたが、母親の大変さをくみ取ってくれたようで、

 自分一人で公共交通機関を利用して通院するようになった。

               ↓

 この先、母親に「車で連れて行って」と頼むことがあるかもしれないが、連れて行って

 あげてはいけない。もし調子が悪く、予約日に一人で公共交通機関に乗れない場合は、

​ 自分でクリニックに電話で報告し、予約日の変更をすることが大事だ。

 

 

             

            

 

 

 

                

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  5月22日   家族交流会

・息子が、破れた靴下をはいている。新しい靴下を買ってあげたい。

               ↓

  本人にルール(例えば、もう少し穴が大きくなったら、など)がある場合もあるので

  そのままにしておこう。母親が買ってあげてはいけない。

・息子が、NPO法人仕事工房ポポロとのズームに興味をもった。家族以外と話したくなっ

 たのかもしれない。外に目がいくのは良いことだ。

・息子は、週3回、内職をしている。仕事をもらってくるのは、母親だ。洗濯、買物は

 してくれるが、こだわりがあり、大変である。匂いにとても敏感で、ガスコンロが気に

 なると言い続けたため、ガスコンロを買い替えたこともある。

 しかし、「ひきこもりだった人が、オレンジの会の支援を受けて、一人暮らしをしてい

 る」という話を聞き、希望をもてた。

・息子は、大学途中からひきこもり、4年半がたった。傾倒している著者の本を読み

 続けている。

               ↓

 まずは、精神科を受診できるとよい。「困っている」「悩んでいる」ようなら、

 クリニックに誘うチャンスである。本人を追い詰めるのはやめ、まず、受け入れよう。

・息子が3月から、B型事業所で働いている。朝、起きられないときがある。

               ↓

 スマホを使い、自分で起きられるとよい。母親が起こしてはいけない。遅れそうな場合、

 連絡を入れる等の対応をすればよいことを伝えよう。

・息子は、母親の実家で一人暮らしをしている。イラストを描くのが好きで、SNSで

 「いいね」をもらうのが嬉しいようだ。そのオフ会には、行くことができる。しかし、

 資格の勉強はしなくなっている。

 息子の通帳は、母親が管理している。「お金がほしい」と言われたときに、母親が

 お金をおろし、息子に渡している。

              ↓

 お金のない状態にしよう。障害年金だけでは生活が苦しいようなら、足りない分を

 なんとかしようと思わせないといけない。通帳は本人に管理させ、使ったら減っていく

 ことを認識してもらおう。

・娘が障害者枠で就職したが、休職することになった。「辞めたい」と言っていたが、

 会社の保健師さんが「皆が待っているから来て」と言ってくれたことにより、復帰

 できた。現在はリハビリ出勤期間である。(短時間勤務)

              ↓

 障害者枠での就職はメリットしかない。

 例えば、クリニックに通う日は休める。(通院は障害者手帳継続のために必要)

 本人の特性に合わせた配慮もしてもらえる。など。

 

 

             

            

 

 

 

                

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  6月19日   家族交流会

・一人暮らしをしている息子は、ネットでの買い物を自分で受け取らずに、母親を呼び

 つけて受け取らせている。

               ↓

 「腰が痛い」等、理由を付けて、息子の家に行かないようにしよう。自分で受け取らせ

 よう。

・息子はこの3週間くらい、母親相手によく話をする。「痩せたい」「僕はうつ病だが、

 発達障害もあるかも」など。とにかくものすごく沢山話すので、聞くのが大変な時も

 ある。       

               ↓

 聞くのがあまりにも大変な時は、時間を決めて聞く、というのが良い。

・祖母の一周忌法要後の会食に、息子が参加できた。親戚の人にお酒を勧められて飲んだ

 り、弟と話もできたりした。母親としては、一か月に一回くらいの割合で、祖父・息子・

 母親の3人で外食できないかと考えている。

               ↓

 「母の願い」としてではなく、「おじいさんが一緒に飲みたいと言ってるよ」と誘って

 みよう。

・B型事業所に4月から通っている。月一回クリニックに通院するようになり、「精神障

 害者手帳をもらったら、障害者枠で働きたい」と言うようになった。そのクリニックで、

 息子が、初めて自分から医者に話をしたいと言い出した。その話とは、

    B型事業所のホワイトボードに個人の仕事実績を毎日書かれている。僕はいつも

    1位。それを見た年下の子に「ぼくのような年下に勝ってうれしいですか」と

    言われた。その言葉がとても嫌だったので、所長さんに「僕の仕事実績をホワイ

    トボードに書かないでほしい」と言った。その後は、書かれなくなった。

               ↓

 自分で医者に、自分の状況を話せるのは大切。これからも、困ったことは、どんどん

 話せると良い。

・息子は、ガムテープで窓に目張りをしている。母親の部屋にも目張りをしているが、こ

 れからの暑い時期にどうすればいいのか、わからない。

              ↓

 「暑いから、目張りを取って窓を開けたい」と言って、開けよう。母自身の部屋なの

 だから。または、「暑いから眠れない。エアコンのある部屋に行く」と言おう。その

 とき、息子にもどうするか、聞いてみよう。息子も暑いはず。

 なぜ「目張り」をしているのだろう。ほこりを排除するために、今できることは

 「目張り」くらいしか思いつかないからかも。何かにもやもやしていて、苦しいのかも。

               ↓

 「困ってない?苦しくない?」と息子に聞いてみよう。「辛いなら、医者に行こう。

 専門家に聞いてもらおう」と誘ってみよう。「変だから医者に行こう」ではいけない。

​ 本人が医者に行くのを嫌がっても、まずは、親が診察券を作って家族相談として、受診

 してみるのが良い。

​ 相性がいい医者に出会うまで根気よく、探してみよう。

 

               

 

 

             

            

 

 

 

                

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  7月16日   家族交流会

・精神科の初診から1年半が経ち、息子の障害年金受給申請ができるようになった。

             ↓

 申請は、社会保険労務士にお願いしよう。面談時には、子どもの「生育歴」のコピーを

 持参しお渡しすることが望ましい。「生育歴」とは、子どもが生まれてから現在までの

 様子を書いたもの。詳細であればあるほど良い。

・息子がガムテープを、家の1階だけではなく、2階の窓にも貼りだした。理由は、ほこ

 りが入ってくるからだという。

             ↓

 母親は「困ってることや、苦しいことはないか」と聞いてみよう。もし、「困っている

 又は苦しい」というようなことを本人が答えたら、病院へ誘ってみよう。

・息子が部屋の照明の明度をかなり暗くしてしまい、親が困っている。

              ↓

 「私たちは老眼だから、明るくしたい。嫌だったら、アパートを借りて一人暮らしを

 してみてはどうか」と提案しよう。息子中心に考えるのではなく、父母を中心に考えよ

 う。父母の家なのだから。

息子は病院に行かないが、父母は、一か月で4つの病院に行ってみた。自分たちに

 合いそうなところ、なんだか嫌な感じのところ、など、色々あることがわかった。

               ↓

 息子のために病院を巡っているのではなく、自分たちのためにする!という考え方を

 しよう。息子の行為のせいで困っていることや、苦しい胸の内を医者に話そう。

 父母が、自分たち自身のために行動しつづけると、父母の表情が変わってくるはず。

 親が変わると、子どもも変わってくる。

・B型事業所に今年4月から通っている息子は、少し前までは父に送迎してもらっていた

 が、現在は自分で運転していけるようになった。しかし、朝は自分で起きれないので、

 母親に起こしてもらっている。お弁当も母親が作っている。

              ↓

 朝、起きれないのなら、どうすればいいのか自分で考えてもらおう。スマホのアラーム

 機能や目覚まし時計を使う、など。もし、朝、起きることができずに遅刻しそうなら、

 B型事業所に連絡する、ということができるようになる、ということが一番大切。

 お弁当も自分で作らせよう。材料も自分で買えるようになるとさらに良い。おかずを

 作るのは大変だと思ったら、大きなおにぎり3個などでもよい。自分で考えて、自分に

 できることから始めよう。自分の食べるものを、自分で作ることは「自立」につながる。

・母親がやらなくても父親が、息子の世話を色々やいてしまう。例えば、お弁当を作って

 あげる、欲しいものを買ってあげる、など。父親は、息子に「やってあげたい」

              ↓

 「息子の自立を妨げる行動だから、やめよう」と母親は父親に、はっきり言おう。

 自分の夫に意見を言いにくい場合もあるとは思うが、何もかもやってあげることは

 息子のためにならない。父母が亡くなった時、自力では全く何も判断して決めることが

 出来ず行動にも移せない息子ひとりが残されることになる。ひとりになったら頑張って

 何でもできるようになるだろう、というのは、発達障害の人には当てはまらない。

・B型事業所に通いはじめて4か月たった息子は、ネットで障害者枠の就活を始めた。

               ↓

 現在、B型事業所に通っているので、職員との面談で、まずは、自分の希望を話そう。

 B型事業所で「生活面も含め力がついいてきたからそろそろ就活を始めてもいいかな」と

 判断してもらってから就活したほうが良い。「どう成長していったのか、今作業所では

 何がどのように出来ているのか」を記した紹介状も書いてもらえる。

 

 

 

               

 

 

             

            

 

 

 

                

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